医療費政策の動向を知ろう
患者の生活の質(QOL)を高める医療
【1】患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点
A 診療報酬体系の簡素化について
・医療の内容を分かりやすく表記できるよう、診療報酬項目の
名称の見直し
・老人診療報酬点数表を医科診療報酬点数表等と一本化する
B 医療費の内容のわかる領収証の交付について
・保険医療機関等は医療費の内容の分かる領収書
(様式は別に指定)を無償で交付
※経過措置により平成18年10月までに体制を整える
ことが保険医療機関に義務づけられる
・患者から求めがあったときは、保険医療機関等は、
患者にさらに詳細な明細書の発行に努めるよう、
促すこととする(努力目標)
C 患者の視点の重視について
・診療情報提供料(紹介状料)の体系を大幅に簡素化する中で、
全体としては評価を引き下げる
・主治医がセカンド・オピニオン(主治医以外の医師による助言)を
求める患者又は家族からの希望に基づき、診療に関する情報を
提供することについて、新たに評価を行う
・検体検査を行い、同日中に検査結果に基づき診療を行うことに
ついて、新たに評価を行う
・それぞれの勤務帯で看護職員1人が何人の入院患者を実際に
受け持っているかを病棟内に掲示すること
D 生活習慣病等の重症化予防に係る評価について
・生活習慣病指導管理料について、院外処方の場合以上に
院内処方の場合の評価を引き下げるとともに、達成すべき
目標等が明確になるよう療養計画書の様式を変更する
・禁煙の希望があるニコチン依存症患者に対する一定期間の
禁煙指導について、新たに評価を行う
(一定の基準を満たした保険医療機関のみ)
・がん診療連携拠点病院において、紹介による悪性腫瘍の
患者に対し入院医療を提供することについて、新たに評価を行う
E 手術に係る評価について
・年間手術症例数による手術点数に対する加算については
いったん廢止する
医療機能の分化・連携を推進する視点
【2】質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点
A 在宅医療に係る評価について
・診療報酬上の制度として新たに在宅療養支援診療所を設け、
これを患家に対する24時間の窓口として、24時間往診及び
訪問看護等を提供できる体制を構築する
・入院から在宅療養への円滑な移行のために、在宅療養支援
診療所の医師や訪問看護を行う看護職員等の多職種が共同
して行う指導については、評価を引き上げる
・重症度、処置の難易度等の高い患者に対する訪問看護に
ついては、評価を引き上げる
・在宅療養支援診療所が関与する場合に、在宅における
ターミナルケアに係る評価を引き上げる
・特別養護老人ホームの入所している末期の悪性腫瘍の
患者に対し、在宅療養支援診療所に係る医師が訪問診療を
行うことやその指示に基づき訪問看護等を行うこと等に
ついて、新たに評価を行う
B 初再診に係る評価について
・初診料について、病院の評価を引き上げる一方、診療所の
評価を引き下げて、病院及び診療所の点数を統一する
・再診料については、病院の評価を引き下げる以上に診療所の
評価を引き下げて、病院及び診療所の点数格差を是正する
・医療機関の機能分化・連携に必ずしも十分寄与していないとの
指摘も踏まえ、紹介患者加算を廢止する
・同一医療機関における同一日の複数診療科受診について、
新たに評価を行う
C DPCに係る評価について
・急性期入院医療における診断群分類別包括評価(DPC)に
よる支払対象病院を拡大する
・診断群分類及び診断群分類ごとの診療報酬点数等に
ついて、所要の見直しを行う
・他の診療報酬点数の引き下げ状況を勘案し、
調整係数を引き下げる
D リハビリテーションに係る評価について
・現行の体制を改め、新たに脳血管疾患、運動器、呼吸器、
心大血管疾患の、4つの疾患別の評価体系とする
・疾患ごとに算定日数上限を設定する一方、1月の単位数制限を
緩和する
・集団療法の廢止、機能訓練室の面積要件の緩和、発症後
早期の患者1人・1日あたりの算定単位数上限の緩和
重点領域の評価について検討する視点
【3】我が国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点
・小児医療及び小児救急医療に係る評価について(時間外救急、
入院医療の再評価)
・産科医療に係る評価について(ハイリスク分娩に対する医療の評価)
・麻酔に係る評価について(重症患者に対する麻酔管理の評価)
・医療安全対策等に係る評価について(急性期入院医療において、
体制を整えていることを評価)
・新しい医療技術に係る評価について(臓器移植、高度先進医療に
対して新たに保険適用項目の追加)
【4】医療費の配分の中で効率化余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点
・効率化により、引き下げの余地があるものについてはそれぞれ
評価を引き下げる
医療費は全体としてどうなるのか
平成18年度の診療報酬改定では、診療報酬本体で▲1.36%、
薬価等の改定で▲1.8%、合計で▲3.16%の改定となっています。
つまり、国家予算としての医療費は改定前に比べて下がる方向に
すすめられている、ということです。
医療機関側から見ると、同じ医療サービスを提供しても収益が少なく
なり、その圧縮分は医療機関の収益にシワ寄せされる形になります。
一方患者の立場から見ると、同じサービスを受けてもそれにかかる
医療の単価が下がるわけですから、かかる医療費も少なくなるはずです。
ところが、診療報酬の改定とは別に、保険診療の自己負担比率を
引上げる見直しも同時に進められており、家計の医療費=自己負担額は
今後増加すると考えられます。
※平成17年7月より福祉医療<乳児・身障・母子等>の自己負担額の
拡大、平成18年10月より高齢者の自己負担割合の引上げ)
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